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アニュアルレポート制作の課題と最近の傾向(2)

Posted by admin on 2008/07/07

(お話を伺った方)
宝印刷株式会社
常務執行役員 近藤一仁様
執行役員 大津克彦様

アニュアルレポートの活用における最近の傾向 

(1)従来の活用法 

  海外では、会社案内は一般的でなく、企業紹介の際もアニュアルレポートを用いるケースが多い。企業のプロフィール・理念・業績などを見やすくまとめたアニュアルレポートは海外(特に欧州)でのロードショーを行う際には、有効なツールといえよう。

(2)webでの公開

  従来の印刷物という形態では、地図上の距離や送付のコスト・時間など距離的・費用的な制約を受ける。最近では、冊子に加えて、webでアニュアルレポートを開示する企業がほとんどだ。印刷物の作成時に組成されるPDFファイルを、そのままwebでダウンロードできるようにするケースや、PDFをフラッシュに変換するケースなどがある。また、アニュアルレポートの印刷を行わず、webのみで配信するケースも出てきている。今後も、アニュアルレポートをwebで開示する企業は増えていくだろう。

(3)アニュアルレポートの二極化、早期化

  経費節減で決算短信の翻訳で済ませる企業と、高付加価値のアニュアルレポートを作成する企業の二極化が続いている。どのレベルのアニュアルレポートを作成するのか、企業の海外拠点数や外国人株主比率によって、あるいは企業の意識にバラつきがあり、アニュアルレポートではなく前者を選択する企業も多い。
  四半期開示が義務付けられたことで、翌第1四半期の発表前に配布したいという意向は強くなり、アニュアルレポートの担当者はより早く完成させる必要性に迫られている。


今後アニュアルレポートに求められるもの

   IR活動の対象は、投資家、株主、社員・従業員、メディア、顧客、取引先など幅広い。宝印刷株式会社の大津さんは、「アニュアルレポートは、英文でかつ海外の投資家が対象というのが中心だが、国内のステークホルダーに向けた和文のアニュアルレポートも作られるべきだ」と言う。海外の機関投資家のみを対象にするのではなく、多様なステークホルダーに対して企業の情報を開示していくことは、企業価値の向上にも繋がる。

宝印刷株式会社 アニュアルレポート完成までの流れ

  標準的な例は、12月にコンペを行い、取材や打合せを重ねて8月に納品。ただし、完成は早まる傾向が続いている。財務データの英訳は制作する上場企業が別に依頼することが多く、それ以外の英訳を当社が行うのが一般的。写真やグラフを有効活用し、アニュアルレポートのビジュアル面も重要視する企業が増える中、宝印刷株式会社の連結子会社である株式会社フィナンシャルメディアが、2001年日経アニュアルレポートアワード(帝人株式会社)で最優秀賞を受賞している。

Q.コンペってどんなもの?

  コンペは、制作する企業の会議室などで行われます。最近のアニュアルレポートは、内容はもちろんデザインにもこだわりを持つ企業が多く、コンペに参加するのは印刷会社やIR支援会社、広告会社や出版社、最近はネットIR会社も参入しています。宝印刷の場合、コンペでは、表紙と主なページをほぼ本物と代わらないようデザインした上で提示し、お客様が完成後をイメージしやすいようにするのが一般的です。


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取材・文/萩原恵子

 

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