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環境対応を考慮したアニュアルレポート

Posted by admin on 2010/02/19

 

 コーポレートコミュニケーションの一翼を担うIR活動では、公開をWEBへシフトする傾向はあるものの、依然多くの冊子を発行する機会があります。その際には、紙のための森林伐採、二酸化炭素排出、排水など少なからず環境へ影響を与えます。企業の環境施策のほんの一部分となりますが、制作現場から見える環境対応印刷の現状をお伝えできたらと思います。

 まず、用紙に関しては、2007年の再生紙偽装問題(高い古紙配合紙の場合、バージンパルプよりも、製造時の環境負荷が高いという実体が、公となった事は功罪といえます)以降、猫も杓子もR100再生紙であった潮流はFSC認証紙へとすっかりシフトしています。(FSC認証紙とは、適切に管理された森林で伐採された原料から作られたと証明された用紙です。)
さらに、企業内での廃紙で再生紙を作り、自社発行物で使用するオリジナル再生紙用紙を用いている企業も見受けられます。
 インクでは「ソイインク(インクが含有する大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の一部を大豆油に置き換えたもの)」がメジャーです。最近は、VOCを一切(もしくは1%以下)含有しない「Non-VOCインク」が使われてきており、インクからの環境汚染を抑えられるようになっています。

 印刷工程での対応としては「水なし印刷(蝶のマークの物)」が良く使われます。これまで印刷工程で大量に出していた排水を0にした、優れた環境性能をもつ印刷です。また、水を使用しないためインク滲みがなく、仕上りクオリティが向上する事もメリットです。

 また、これからの展開が期待される規格としては「カーボンオフセット印刷」「グリーン電力」が挙げられます。これらは残念ながら、「用紙生産・印刷工程ともに二酸化炭素排出を抑えられる機材を用い、ハイブリッドカーで配送」や「風力、バイオ、地熱、太陽発電で作られた電力で稼働する工場で印刷」するわけではなく、通常と同じ工程、電力で制作されます。
それぞれCO2排出権、グリーン電力権を適切な価格で購入し相殺・グリーン発電所の運用にあてられる仕組みとなっています。
ともに権利購入となるわけですが、切り口に時代性があり、興味深い仕様です。

 また、廃棄を減らすという点で、これまでの印刷部数は一旦リセットし、Web情報なども活用し、本当に必要な分だけ刷るという吟味も、環境負担の大きな軽減となっています。
 
 環境対応印刷には多くの規格が存在し、対応可能な会社の選定作業、用紙選択の制限、印刷費の微増等、多少の負荷が生じる事は否定できませんが、環境負荷軽減への貢献はもちろんの事、サステイナブルな「環境経営」のブランディングにも有効と考えます。

 すでに環境方針を策定している企業も多いですが、環境への使命を強めるため印刷仕様も、今一度チェックいただけたらと思います。
IRツールは企業の実体、メッセージを伝える顔なのですから、環境に対する意思や誠実さを身に纏わせ、活躍させてはいかがでしょうか。

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