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配当の出し方!?

Posted by admin on 2008/12/24

 世間は師走。3月決算の企業であればそろそろ来期の計画を立て始める季節です。ヒト・モノ・カネをどう生かして行くか?頭の痛いところでしょう。その中で今回はヒトにまつわるエピソードを一つご紹介いたします。

 東証一部に上場している大手企業と、その子会社で東証二部に上場している企業との間での出来事。子会社の担当者は、株式事務と法務を担当して30年超のベテランで、IR・SR・総会運営などに関して、広範囲に渡る業務の知識を持っていました。


 ある日親会社である大手企業の株式課の若手担当者からこんな問い合わせの電話が・・・。


親会社の担当者「(非常にバツが悪そうに)I部長、あのー、株式事務のことでお聞きしたいことがあるのですが・・・。」

子会社の担当者「どうしたのかね?」

親会社の担当者「あのー、I部長・・・。怒らずに聞いていただけますか?」

子会社の担当者「怒るも怒らないも、聞かなきゃわからんよ。とりあえず言ってみなさい。」

親会社の担当者「はい、わかりました。その、あの、申し上げにくいんですけど・・・。」

子会社の担当者「じれったいなあ、早く言ってみなさい。こっちも暇じゃないんだからさ。」

親会社の担当者「(意を決して)あの、配当ってどうやって出すんですか?」

子会社の担当者「・・・。」

親会社の担当者「・・・。」

 実はこの親会社、長年業績が低迷し、5期連続で無配。その親会社では、ヒトの配置は3年ごとに見直し、ジョブローテーションを行っていました。目的は、従業員のスキルを平準化させることだったと思います。その発想はもちろん間違いではありませんが、長い無配状態のため、配当を出すための事務手続きを経験した人間が全てジョブローテーションで異動してしまったとのことでした。

 この場合の親会社と子会社の違いは、

・親会社は大所帯で、ジョブローテーションが頻繁
・子会社はジョブローテーションが少なく、特に株式関連の業務は一子相伝的に継承

していたことだと思われます。ま、一般的な大手上場企業で、5期連続の無配は?ですが・・・。

 しかし、捨てる神あれば拾う神あり!後日、子会社のI部長による「指導」の下、無事配当を出しましたとさ。

 文・構成 加藤晋

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