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PKO

Posted by admin on 2008/12/19

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 地方上場・低時価総額企業のIRについて新聞社時代のエピソードを一つ。ある地方の上場企業(地方市場単独上場)に訪問した際のこと、IR担当者が漏らした一言が忘れられません。

「加藤君、俺の仕事はさあ、IRじゃなくてPKO(Price Keeping Operation)なんだよね。」

 彼が言うには、出来高の少ない地方の単独上場企業の場合、小売買単位の売り玉が成り行き注文で出ると非常にまずいとのこと。成り行き注文の場合、出来るまで気配値が下がり続けるため、3日も放っておけば物凄く株価が毀損されてしまい、社内で大問題に発展するそうです。こういった企業の場合、オーナー社長および一族が相当数の株式を握っているケースが多く、プレッシャーも尋常ではないとか・・・。

 そこで、そういう企業では、自社株買いの枠を設けて、成り行きの売り物が出た場合すぐに株価を維持するために買い注文をいれるそうです。それはそれで、大変な仕事だな、と思ってしまいます。

 法定開示・適時開示といった側面と離れた「気苦労」、のんびりとした(失礼!)地方企業にも悩みはあるんですね。


文・構成 加藤晋 

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