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新聞記者と分度器

Posted by admin on 2008/12/10

 
 世間は忘年会シーズン。私もご多分に漏れず、飲み会の予定が入ってきています。その中には、以前の職場である新聞社の同僚との飲み会もいくつか・・・。今週はその時の同僚だった新聞記者と一席持つことになっています。

 そこで新聞社在籍当時のエピソードで、IRに関連するモノを一つ・・・。

 ある時、同僚の記者が、某上場企業の決算説明会のパワーポイント資料を手に取材の電話を掛けておりました。

 記者「この◆◆◆事業の当3月期の利益ですが、御社の利益全体の約4割とのことですがいかがでしょうか?」

 企業のIR担当者「はい。おっしゃるとおり約4割前後といったところです。」

 記者「4割超ですか?4割弱ですか?そこのところをもう少し正確にご教示願いたいのですが・・・。」

 企業のIR担当者「それはご容赦願えないでしょうか。私としても職責上うかつなことを申上げられませんので・・・。」

 記者「この資料に引用された円グラフは表計算ソフトを使って作ったものですか?」

企業のIR担当者「はい(笑)、来期の予想数値を元に表計算ソフトを用いて作成しました。」

 記者「ありがとうございました。」

  さて、この同僚の記者ですが、机から分度器を取り出して、円グラフを計測し始めました。分度器の測定によると当該の数値は4割超とのこと。その時は、記者魂に感心したことを覚えています。また、電話口でIRのご担当者が笑ったのも、記者の意図を見抜いたからでしょう。

  職を転じてIR支援会社に籍を置く現在では、リサーチする立場と取材を受ける立場の微妙な駆引き?を思い返し、IR担当者が情報の管理していくことも楽ではないなと思う次第です。

 

 文/加藤晋

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