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日本IR協議会が「個人投資家の投資意識とIRニーズに関するアンケート」の調査結果を発表

Posted by admin on 2008/12/03

 日本IR協議会(東京都千代田区 会長・澤部肇氏)は、2008年12月2日(火)に、「個人投資家の投資意識とIRニーズに関するアンケート」の調査結果を発表した。調査時期は2008年9月で、現在株式を保有している個人投資家(男女20-69歳)10,000人(個人投資家の有効回答は3,472件)に対しインターネットを通じて調査を行った。

個人投資家の投資意欲について
 今回の調査では、回答した個人投資家の29.3%が「投資額を増やしたい」とし、「投資額を減らしたい」(15.9%)と「株式投資をやめたい」(6.0%)の合計21.9%を7.4%上回る結果となった。また、「現状の投資額を維持したい」も48.5%となっている。その後の金融情勢の悪化は顕著だが調査が行われた2008年9月の時点では、以後のマーケットの展開に関してポジティブに捉えていたようだ。

投資の情報源と上場企業のIR情報の活用

 購読している情報媒体は、「日本経済新聞」(56.7%)を中心とした大手新聞、「日経ビジネス」(12.6%)などのビジネス誌やマネー誌など。活用法としては、新聞の株式・マネー面の記事を66.7%が、経済面などの記事を69.2%が、日経会社情報・会社四季報は46.4%が活用もしくはある程度活用していると回答している。  上場企業から発信されているディスクロージャー情報では、「株主向け報告書(事業報告書)」は39.9%が、「アニュアルレポート(年次報告書)」は26.2%が、「決算短信」は39.8%が、「ニュースリリース」は45.2%が、活用もしくはある程度活用していると回答があった。  インターネットメディアでは、「yahoo!などの一般金融サイト」は52.5%が、「インターネットの掲示板」は27.4%が、「投資に関するブログ」は15.3%が活用もしくはある程度活用していると回答があった。  「上場企業のIRサイト」については38.6%が、「上場企業が発信しているメールマガジン」については17.5%が活用もしくはある程度活用していると回答があった。  個人投資家向けのイベントの活用に関しては、「個人投資家向けの説明会」は11%が、「メディア主催の個人投資家向けイベント」は7.9%が、「証券会社が開催するセミナー」は15%が活用もしくはある程度活用していると回答があった。  上記データでは、リアルメディアに対する信頼感が未だにインターネットの情報を上回っていることが看取できる。ただしインターネットの活用に関しては、「インターネットの掲示板」では2007年の23.6%に対し3.8%の増加、「yahoo!などの一般金融サイト」に関しては2007年の40.6%に対し11.9%の増加が見られた。企業のIRサイトについては、昨年の質問が「企業のホームページの活用」だったことの影響か約10%低下している。いずれにせよ、インターネットでの情報配信のプレゼンスが今後も増大するであろうことを考慮すると、企業はインターネットメディアでの露出やIRサイトのより一層の充実を進める必要がありそうだ。また、イベント会場に実際に足を運ぶ投資家が10%前後存在していることは、個人投資家の情報に対する積極性を示しているといえるだろう。

個人投資家が企業をウォッチしているポイント

 株式投資の際に収集する情報(現在/今後)については、上位から「事業の内容」(67%/56.5%)、「過去5年間の財務情報」(50.6%/48.4%)、「株主優待情報」(49.2%/43.7%)となっている。4位に「経営戦略」(31.5%/35.1%)、6位に「中期経営計画」(27.6%/31.6%)、7位に「具体的な株主還元策」(25.7%/28.7%)となっており、3位の株主優待にパーセンテージで大きく水を開けられている点にやや違和感を覚える。また、事業の内容が圧倒的な首位であることは、上場企業が発信している情報が、個人投資家に訴求できていないことを示している可能性がある。ただし、「現在」と「今後」の数値を比較すると、「経営戦略」「中期経営計画」「具体的な株主還元策」では、「今後」が「現在」を上回っており、個人投資家の考え方にも若干の変化の兆しがあるのかもしれない。

議決権行使に見る個人投資家の意識の変化

 今回の調査では、この一年間に「株主として議決権行使を行った」のは49.5%。2007年の調査では42.5%で7%の増加した。さらに、「今後議決権を行使したい」という回答は55.8%となっている。ここ数年、上場企業のアクティビスト対応などで、株主総会の注目度が増大していることが影響しているのではないだろうか。いずれにせよ個人投資家の経営への参加意識の高まっていることの証左といえよう。

上場企業は個人投資家にどうアプローチすべきか?

 投資判断に役立つ企業情報を「適時」に「公平」に「継続」して発信することが大前提。その情報発信に対するレスポンスをいかにフィードバックすることが肝要だろう。個人投資家向けの情報発信であれば、必要な情報をワンショットに納めるだけでなく、見易く・解かり易くまとめていく必要があるだろう。具体的な手段としては、IRサイトや株主向けのツールの充実、個人投資家向けの説明会や施設見学会など、バーチャル、リアル問わず積極的なリレーションを心がけるべきであろう。

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 日本IR協議会が12月17日(水)に開催する「IRカンファレンス2008」では、「個人投資家が選んだ企業ランキング」と題して、フィナンシャルプランナーによるパネルディスカッションを行う。コーディネーターは日本IR協議会の専務理事・前澤秀忠氏で、パネラーとして、北見久美子氏・木村佳子氏・福田啓太氏が登壇予定。
日本IR協議会ウェブサイト(http://www.jira.or.jp/

 文/構成 加藤晋

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