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2008年07月 アーカイブ

2008年07月09日

平成20年 株主総会開催の傾向

 本年の株主総会集中日は6月27日であった。東証1・2部・東証マザーズに上場する6月株主総会会社1806社のうち、同日の総会開催は869社となり、特定日への集中率は1983年の調査開始以来はじめて50%を下回った。株主総会の開催日は2000年を境に分散化が進むが、株主が株主総会に参加しやすい環境を作り、株主との対話を重視する企業が増えてきていることの表れとみられる。

■グラフ:東京証券取引所 定時株主総会集中率推移

 


 1983年の調査開始以降、最も集中率が高かったのは1995年の96.2%で、それ以降は低下傾向にある。もっとも、本年の6月23日の週に株主総会を開催した会社数の割合は85%を超え、依然として特定週への集中度は高い。それでも、企業のなかには「株主総会に出席したい」と考える株主の増加に対応しようと、大規模な会場を確保したり、出席できない株主向けに地方会場を設けたり、インターネットによる動画配信(生中継)を行うなど、開催方法にも様々な工夫がみられるようになってきた。

 (お話を伺った方)
株式会社東京証券取引所
情報サービス部長 白橋弘安 様

東京証券取引所

>>招集通知の早期発送

取材・文/萩原恵子

2008年07月13日

招集通知の早期発送

  

招集通知の早期発送

 株主への配慮という点では、株主総会の分散化の他に、招集通知の早期発送もあげられよう。法律上は総会日の14日前に発送すればよい招集通知だが、かねてから「議案検討の時間が足りない」との声が多数の銘柄を保有する機関投資家からあがっていた。

 機関投資家のこうした要請に応えるべく、招集通知の早期発送に取り組む企業も増えてきている。早いものでは招集通知の発送が、株主総会開催日の4週間前以上というケースもある。また、招集通知を英訳したり、分かりやすい事業報告書を添付するなど、株主の理解度を高めるための取組みも増えてきた。

 「IRと株主総会は別々の活動ではなく、日頃からIRを継続的に行い、株主との関係をいかに構築しておくかが、総会議案の成否にも影響してくる。」と東京証券取引所情報サービス部長の白橋氏は話す。特に今年(2008年)は、業績や株価が低迷する企業や、利益還元が遅れている企業等の株主総会において、厳しい票を投じた投資家も増えたようだ。まさに株主総会は、企業や取締役にとって年に一度の成績評価機会といえるかもしれない。

電子投票制度の導入企業が増加

 議決権行使環境の改善という観点からは、電子投票もひとつの解決策である。機関投資家向けの「議決権電子行使プラットフォーム」を提供するICJ社のサービスには現在309社(2008年6月現在)が参加している。株主向けに様々な取組みを展開する企業が今後も増えていくなか、こうした議決権行使の電子化の流れも継続していくと考えられ、SR(シェアホルダーリレーションズ)重視の傾向はますます強まると言えよう。

(お話を伺った方)
株式会社東京証券取引所
情報サービス部長 白橋弘安 様 

○ 株式会社ICJ
2004年7月に「機関投資家向け議決権電子行使プラットフォーム」の運営のために設立された。サービスは2005年3月総会から開始。議決権行使環境の改善、議決権行使状況の早期の把握などを目的として、毎年100社前後の新規参加会社を集める。

○議決権電子行使プラットフォームに関するお問合せはこちら

東京証券取引所
 

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取材・文/萩原恵子

2008年07月29日

電話会議(カンファレンスコール)利用企業の増加

 

電話会議 利用企業について

  米国では、95%の上場企業が電話会議による決算説明会を行っており、日本でも、時間と場所を選ばない電話会議を導入する企業が増えている。電話会議サービス等を手がけるプレミア グローバル サービス(東京都中央区)でも、2007年度のIR関連にした電話会議利用企業数は、前年度に比べ163%と増加している。

  「第1・第3四半期決算は、会場をおさえて決算説明会を行うほどではないが、アナリスト・機関投資家に説明の機会を持ちたいと考えている企業が多い」と、電話会議サービス等を手がけるプレミア グローバル サービスの営業部・宮地氏は話す。企業が決算説明会に電話会議を導入するのは、こんな背景がある。

  企業は2003年に四半期開示が義務付けられたが、3ヶ月ごとに会場を使って開催するのは負担になりかねない。第1・第3四半期決算では、資料のみをHPに掲載している企業も多いが、投資家にとってそれだけでは不十分だ。そこで IRにおける電話会議の利用法として、第1・第3四半期決算に電話会議を利用し、中間・期末の決算では、会場を使って決算説明会を開催する企業が増えてきた。

 

電話会議活用のメリット

企業側・参加者側にとって、決算説明会を電話会議で行うメリットはどんなものがあるだろうか。

■企業側のメリット
・会場手配等の手間・費用を軽減できる
・特定のインフラを用意する必要がない
・時間と場所に左右されない
・より多くのアナリスト・機関投資家に平等に案内が可能
・開示資料のみの決算発表と比べ、より詳細な説明が出来るので、決算発表後の問い合わせを減らすことが出来る

■参加者側のメリット
・自宅・オフィスからも参加が可能で、時間・場所の制約を受けない
・決算説明会の内容を、終了後も聞くことができる
・海外向けの場合、日本で発表された決算内容をリアルタイムに聞くことができる
・複数の企業の決算説明会に、移動することなく参加できる

  初めて電話会議を導入する企業の参加者数は、それほど多くはないのが現状だ。しかし、回数を重ねるにつれて参加者数が増加する傾向が見られる。

  平均参加者数は、説明会規模にもよるが、
・電話会議のみでの決算説明会の場合 60回線程度
・会場での決算説明会+その模様を電話会議に流す場合 30回線程度
である。

 

(お話を伺った方)
プレミア グローバル サービス
営業部 部長 宮地 孝幸 様
営業部 主任 寺島 豪士 様


プレミア グローバル サービス

>> 企業の電話会議活用事例

>> 準備からフォローアップまでワンストップで -プレミア グローバル サービス


取材・文/萩原恵子

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