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2010年04月 アーカイブ

2010年04月05日

IR動画のアクセス数向上のために

 

 現在、日本のインターネット普及率は75%を超えるまでになりました。誰もがインターネットでリアルタイムに情報を収集するようになり、企業はHPの充実にも力を入れていれています。IR支援会社であるリンクインベスターリレーションズは、企業のIRページを見る機会も多く、あらゆる業界の動画を制作しています。

 IRは、積極的に活動を行ったからといって株価にプラスに反映するというものではなく、成果が見えにくいともいわれています。IR活動のゴールを何に設定するかは企業それぞれですが、頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。

 弊社の得意分野のひとつである動画配信・音声配信に限ってみると、ゴールは明確です。個人投資家からの問い合わせについては、「動画を公開しています」との説明材料にもなるし、個人投資家には開かれた決算説明会をアピールする機会にもなります。これらは目に見える結果を求めるのは難しいかもしれませんが、積極的な姿勢は評価されています(日本IR協議会の優良企業賞の評価基準にも、動画・音声での配信が含まれています)。

 動画・音声配信の目に見えるゴールとしては、アクセス数があります。弊社では、IRフォーラム以外にも証券系webサイトや個人投資家向けIRサイトと提携しており、個人投資家と企業が触れ合う機会を増やしています。

 以前、動画を配信しているIR担当者の方から、「なかなかアクセス数が伸びない」という声をいただきました。IR動画を配信している以上、アクセス数を増やしたいというのは共通の悩みかと思います。しかし、IR動画を、IRページの下のIRライブラリーの下の動画一覧に掲載・・・、と階層の深い場所に掲載していては、なかなか見る機会も増えません。個人投資家が企業を検索するとき、まずトップページを見ます。そのトップページに「動画配信中」などの項目を設けると、目に触れる機会も多くなりアクセス数増加にも繋がるはずです。「動画配信をした」だけではなく、積極的に個人投資家の目に触れる機会を増やすことで、アクセス数が伸び、動画配信の意義を感じていただけるかもしれません。

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2010年04月13日

アニュアルレポートの可能性

 

 広告・雑誌業界では、デザインは出尽くした「成熟期」と言われる事がありますが、
今後のIR業界の各企業の多様な価値感にリンクするビジュアル=デザインは「変革期」だと思います。
 誰もが企業情報を容易に得られるようになり、アニュアルレポートに求められる役割が変化している現在、企業の本当の「個性」 をいかに明確で丁寧に伝え、他企業との差別化・より良いコーポレートブランディング構築の絶好のチャンスともいえる時期だと思います。

 デザイナーとしては、限られた時間の中で 求められる制作時間の「スピード」と、見るものにコンセプトをわかりやすく確実に伝達する「スピード」の両方の「スピード」のクオリティを 維持しつつ、「表現=ビジュアル」を工夫する必要があります。

 たとえば、
 広告の様な、「惹き付けるインパクト」があるキャッチコピー性 
 雑誌の様な、「飽きさせない・読ませる冊子」としての企画構成や写真のトリミング 
 書籍の様な、「読みやすい書体・紙質・冊子サイズ選び/ホワイトスペース(余白)の配置レイアウト 等、
従来のアニュアルレポート観にとらわれずに、他の媒体から希望に合う要素を組み込む事で、「表現」の幅は多様に拡げられます。

 また、海外のアニュアルレポートには、
●最初(表紙)に「純利益の減少」「有利子負債の増加」などの、悪いトピックスを示し、次のページをめくると、新顧客の加入で対応出来た良い実績を掲載する構成
●「もし、あなたがアナリストなら?」という個人投資家への分析説明記載など、形式に基づいたものばかりではなく、企業カルチャーを反映した構成により「ストーリー性のあるイメージ喚起力の高い企画構成」によるブランディング効果向上に繋がる例も見られます。
 
 広告業界や不動産業界では、「紙せんみつ(慣用句で「千三つ」)」と言われ、1000枚のチラシの中に、3枚しか効果がないといわれています。
 IR業界が同じというわけではありませんが、いつの時代でも「モノをつくる/伝える」という事の原点は、発展向上を意識し、限りなく1000/1000を目指す「志し」と「努力」が必要だと思います。

 企業と株主や一般の方との距離感が近くなりつつある現在、アニュアルレポートの本質と可能性を常に問い、幅広い提案体制を整え続けている事が、本当の支援会社といえるのではないでしょうか。
コストの上昇要因は数多くありますが、限られた予算の中で、アニュアルレポートを作る「本来の目的」を再確認し、最適なコストで対応・制作する事が、未来に繋がるあるべき姿勢だと思います。


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2010年04月19日

iPadの日本上陸と今後のIR活動

 

 2010年4月に発売された、米アップル社の新型多機能携帯情報端末、「iPad(アイパッド)」は、米国での想定外の売れ行きで生産が追いつかなくなり、日本での発売が5月末に延期されました。

 全世界で5000万台売れたという「iPhone」と同じOS、親しみやすいインターフェース、簡単な操作。それが、見やすい大きな画面で使えるわけですからこれは放ってはおけません。薄くてスタイリッシュ、小脇に抱えてどこでもさっと取り出して使える。サクサク動き、使えるソフトは安く、優秀なものが揃っていると、いいことづくめと言えます。

 私もiPhoneを使いはじめたばかりのころにiPadのことを聞いたのですが、最初はただの大きいiPhoneかと思っていました。しかしiPhoneを使い込むうちに、こんなにiPhoneが便利なのだから、さぞかしiPadは使いやすいだろうと期待が膨らむいっぽうです。

 さて、IR活動においてインターネットが果たす役割は、衆知のとおり非常に大きなものです。現在はPCや携帯がメインとなっているわけですが、それらを遙かに上回る数とペースで普及するといわれているiPadの日本上陸により、日本のIR活動もさらに大きな進化を求められるでしょう。

 2009年9月に日本IR協議会が行った調査によると、今後企業に求めるIRとして個人投資家の43%が「機関投資家との個人投資家の格差がない開示」を挙げました。これを解消すべく、さまざまな企業が動画サイトの「Ustream」やミニブログの「Twitter」などを活用して“機関投資家向けと遜色ない情報を、個人にも提供しよう”という試みをし、手ごたえを感じているようです。iPadの日本上陸は、さらにこの流れに拍車をかけることになると予想されます。

 弊社も、iPhone、iPadなどのタブレット型携帯端末に向けたIR支援コンテンツの開発を視野に入れています。
 「iPhoneを持つようになってから自宅でPCに触れる時間が減った」という声を良く耳にしますが、重要な潜在株主層として、個人投資家に目を向ける企業が増える中、決算説明会の動画のオンデマンド配信、ライブ中継もより多くの人々に、より手軽に、そしてよりわかりやすくご覧いただけるようにできればと思っています。


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2010年04月26日

「伝える」から「伝わる」ドキュメンテーション

 

 仕事柄、日々多くの企業様の決算説明会を拝見していると、決算内容、プレゼンターの語り方とは関係なく、印象の残り方を大きく変える要素があることに気づかれます。それが画面に映し出されるドキュメンテーションです。

 本来理解促進の補助ツールであるはずのドキュメンテーションですが、限られた時間の中で、多くの情報を伝えようとするあまり、情報がつまりすぎてしまっている、または強調したいポイントが多く、ページ内に多くの色を使われすぎて、何をつたえたい(=目立たせたい)のかわからないといった不都合が生じてしまっているケースが見られます。

 では、どのようなドキュメンテーションであれば、「伝わる」状態を生み出せるのでしょうか。私自身が実際に「わかりやすい」と感じるドキュメンテーションの特長をまとめると下記のようなものになります。

◇明確なメッセージ
このページでは何を伝えたいのか、何に着目してほしいのか。ただ表やグラフを掲載するのではなく“要は”と端的なサマリーを入れることで、ミスリードが避けられ、登壇者の話を補完しながら話を聞くことができます

◇適切な情報量
各社のドキュメンテーションを拝見していると、全体的に文字数がやや多い印象を受けます。さらに深く情報をとりたい方は短信などにも目を通すと思いますので、各ページの情報量については、各ページ数分の表示であることを考え、メッセージを伝えるうえで必要十分な情報量にしぼる方が機能的であると考えられます。

◇統一された表記
ある企業様では、メッセージ部分は、必ず同じ色の帯、フォント・サイズを使用しています。水戸黄門の印籠のようなもので、こうしたルールがあることで「このマークが出てきたらまとめだな」と視聴者側は思え、ページを追うのにも自然と“リズム”が生まれます。これは全体を通しての話ですが、ページごとにも同じことが言えます。グラフ、表をただのせるだけでなく、強調したい数値の色・フォント・デザインを統一することで、1ページの中でも最初に目がいくようになります
※会場やスクリーンの大きさにもよりますが、フォントは28以上、1ページの色味は3色以内を目安にされることをおすすめいたします。


ほんの少し手を入れるだけで、ドキュメンテーションの機能は確実に強化されます。
決算説明会は企業のトップが登壇され、自らの言葉で会社の実績、そして今後のことを伝える大変貴重な機会です。
せっかくの機会をより強く印象づけるためにも是非ご参考にしてみてください。

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