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2008年09月 アーカイブ

2008年09月01日

決算説明会動画を見るときのポイント

  決算説明会は、上場企業が証券アナリストやファンドマネージャーを招いて、決算発表に基づき半期もしくは四半期ごとに会社の業績や事業の進捗などを発表する場である。現在、日本の上場企業約4,000社の中で、半数以上の会社が決算説明会を開催している。

  決算説明会の流れを確認しよう。まず初めに、企業代表者から業績報告などをプレゼンテーション、その後内容に関して、出席者との質疑応答が行われる。個人投資家が決算説明会動画を見るときには、例えば「株主還元」など、必要な箇所を選んで見ると時間的・内容的にも使いやすいはずだ。

 

○個人投資家必見!決算説明会のチェックポイント

 

Q個人投資家が決算説明会動画を見る場合、どこに注目すべきですか?

   「経営者を見る」これに尽きます。
   私が担当している新興市場の場合、企業の業績が経営者によって左右されることが多いからです。個人投資家にとって決算説明会は、業績など数字に関するものが多く難しいと感じるかもしれません。しかし、内容が難しくても、自分の気になる企業の経営者動画・音声で確認することは、価値があると思います。
   最近では、決算説明会で経営者自身が業績の説明を行うことが多くなりましたが、以前は経営者が挨拶のみを行い、説明は財務担当役員にお任せ、ということもありました。そういった会社に比べると、経営者自身が自分の言葉で説明をする企業は、伸びているように感じます。

 

○企業本位の説明会から、相手を重視する説明会へ変化

 

Q最近の決算説明会の傾向について教えてください。

   決算説明会の開催にも変化が見られるようになりました。例えば、企業は四半期ごとに説明会を開催する、開催時期をずらす、説明会での資料を充実させるなど、出席者であるアナリストや記者を重視するようになってきました。
   内容にも変化が見られます。以前の決算説明会では、『業務内容→業績→今後の展開』の流れで説明会が進んでいましたが、最近は『業績→業務内容→今後の展開』と展開されています。私たちが一番聞きたいのは足元の業績ですから、退屈することなく決算説明会に参加できるようになりました。
   株式市場における企業の評価にも変化がありました。財務の面で話をすると、以前は現金を保有する企業が評価をされていましたが、最近では、その現金をどう活かすかの具体的な方針を出し、実行している企業が株式市場で評価されるようになってきています。

   このように、決算説明会に変化が見られるようになったのは、IRの重要性が高まり、企業の意識にも表れてきたことが原因であると思います。

 

(お話を伺った方)
株式市場新聞 新興市場部デスク 北島正人 様
北島さんの「新興市場へ提言」連載はこちら

○株式会社市場新聞社
「株式市場新聞」発行。個人投資家に絶大な支持を誇り、信頼性・専門性での評価が高い。個人投資家向けの会社説明会も定期的に開催している。

 

>>記者は決算説明会のここをチェック!

 

取材・文/萩原恵子

2008年09月04日

記者は決算説明会のここをチェック!

(お話を伺った方)
株式市場新聞 新興市場部デスク 北島正人 様
北島さんの「新興市場へ提言」連載はこちら


○記者は決算説明会のここをチェック!


Q記者ならではの決算説明会をチェックするポイントはありますか?

  決算説明会で発表された数字よりも、過去と比べた数字の変化をチェックします。モメンタムを示す「○年連続最高益」という結果よりも、赤字から黒字にV字回復したほうが、短期的に株価に影響を与えることが多いからです。


Qアナリストと記者では、決算説明会の見方に違いがありますか?

  アナリストは、将来の株価を予測するとき、数値的な面から判断する場合がほとんどです。一方、記者は、数値はもちろんですが、経営者の姿勢や事業が軌道に乗りそうかを肌で感じて、判断することが多いですね。また、決算説明会に出席する前にチャートや需給のバランスなどもチェックしています。


Q最近、決算説明会の映像・音声を公開している企業が増えています。記者は、決算説明会動画をどのように活用していますか?

  注目している企業の説明会が重なっている場合に動画を活用しています。特に私は、「経営者の表情」をチェックするために、決算説明会に参加した企業でも再度見直すことがあります。売り上げなどの数字は、資料で確認することができますが、経営者の表情まで見ることはできません。経営者が事業を進める上での自信と熱意は、やはり表情に出ますね。


Q北島さんは、新興市場部のデスクということですが、新興市場の企業を見るときのポイントはどこでしょうか?

  まず新規事業よりも、本業がどれだけ伸びたかをチェックしています。新興市場では、新規事業で事業が拡大することが多いですが、これは将来的に続かないケースが多いです。中期経営計画など将来の数字よりも、足元の数字に注目しています。
  もう一つは、先行投資の部分です。研究開発や人材の採用・育成にどの程度予算をかけるかを見ることで、将来の事業規模を予測しています。もちろん、経営者の表情・発言も動画を通じてチェックします。

Q決算説明会を開催する企業に対して、何か要望はありますか?

  企業には、業績がいいときも悪いときも、しっかりIR活動をしてほしいと思います。記者も個人投資家も、業績が悪いからといってその企業を簡単に見限るようなことはありませんから。その時業績が悪かったとしても、どのように回復していくかのプロセス・結果にも注目しています。

 

○市場新聞社主催個人投資家向け会社説明会

  市場新聞社では、個人投資家向けの会社説明会を行っています。最近は、個人投資家などの投資家層の広がりもあり、企業も投資家も熱心に参加するようになりました。アナリスト向けの決算説明会は、業績など数字に関するものですが、個人投資家向けの会社説明会では、会社の業務内容などを分かりやすく紹介しています。直接企業の声を聞く貴重な機会だと思います。
企業の生の声を聞き、企業の状態を知ることは投資の判断をする上で重要かと思います。


株式会社市場新聞社
「株式市場新聞」発行。個人投資家に絶大な支持を誇り、信頼性・専門性での評価が高い。個人投資家向けの会社説明会も定期的に開催している。

 

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取材・文/萩原恵子

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