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IR活動の実態【IR協議会】
(1)IR活動の課題
Posted by admin on 2008/05/22
(お話を伺った方)
日本IR協議会 首席研究員 IR-COM編集長 篠原哲郎様
企業のIR活動について
Q1.IR活動の目的は?
IRとは、企業が資本市場に対し、投資判断に必要な企業にかかわる情報を自発的に提供する活動のことを言います。IR活動には、社外への視点と社内への視点からそれぞれ目的があげられます。
(社外に対して)
適切な企業情報を開示することにより、投資家の理解を促し、適正な企業評価に近づけ、企業価値の向上に貢献することが目的と言えます。
(社内に対して)
IR活動を実施し、社外のアナリストや機関投資家を含めたステークホルダーの意見を聞き、そうした外部の視点や意見を社内にフィードバックすることで、経営に役立て企業価値を向上させるための取組みを行うことも目的です。
-「企業価値を向上する」とは、株価を上げることに繋がりますか?
IR活動の目的は株価をあげることではありません。ただし、企業の等身大の姿を社外へ伝え、適正に評価されることが企業価値向上に繋がると考えます。企業価値が向上することにより、その結果として株価があがることは考えられます。
Q2.IR活動が市場にもたらす影響は?
IR活動を実施することで、企業価値が正しく評価され、その結果として株価が決まり、資源の最適配分が期待できます。
Q3.IR活動は、企業へどんな効果をもたらしますか?
①経営トップ自らが事業戦略・経営目標を示すことで、株主や投資家の信頼を高めることが期待できます。
②ネガティブな情報であっても投資判断に必要であればリスク情報として開示する、また業績の良し悪しに関わらず継続的に情報を開示することにより市場の信頼獲得に繋がります。
③株主・投資家の意見を可能な範囲で経営に反映させることで、経営が独善的になることを防ぐことができます。
④企業が過大・過小に評価されることが少なくなる
IR活動により、社外とコミュニケーションをとる事を通して、市場での安定した評価を確立することが期待できます。
現在のIRの課題・問題点
Q4.IR活動を行う企業の課題、個人投資家から見たIRの問題点はどんなものがありますか?
(企業の視点)
日本IR協議会が毎年行っているアンケート調査『第15回 IR活動の実態調査(2008.2)』では、企業が考えるIR活動の課題として、
①個人投資家向けIR活動の充実
②財務情報に表れにくい企業価値の説明
③ウェブサイトによる開示の充実
など、実務的な課題が上位にあがりました。
(個人投資家の視点)
『第3回 個人投資家の投資意識とIRニーズに関するアンケート(2007.9)』では、個人投資家が考えるIR活動の改善点として、
①形式的な情報開示が多い
②リスク情報の開示が不十分
③情報開示のタイミングが遅い
という回答があがりました。
現在のIRの課題・問題点として、決算発表日が特定の日に集中するといった問題があげられます。東証からの「期末後45日以内に決算発表を実施」という要請を受け、その要請をある意味では形式的に判断して、期限である45日目に開示を行う企業が多くなっています。
-「期末後45日以内に決算発表実施」という、東証の本来の主旨は?
45日というのはガイドラインで、本来であれば「なるべく早く開示する」ということが要請の主旨です。企業によって事情もあると思いますが、自社の可能な範囲で出来るだけ早く開示することが望ましいと思います。集中日を狙ったかのような発表は慎むべきです。
■IR活動の課題(n=1218)
(画像をクリックすると、拡大表示します)
出典:日本IR協議会「IR活動の実態調査2008」
■個人投資家が考えるIR活動の改善点(n=3469)
出典:日本IR協議会「個人投資家の投資意識とIRニーズに関するアンケート2007」
Q5.企業の情報開示には、情報の受け手である個人投資家・機関投資家の知識レベルの差があります。
情報の受け手にかかわらず公平に情報を提供することはもちろんですが、ターゲットに合わせた情報を発信することが必要です。個人投資家向けのIR情報としてウェブサイトを充実させている企業もでてきました。「どんな会社なの?」という質問以外に、「その企業の成長性や収益力にとっては、コレが肝である」「コレを伸ばすことによって中期経営計画を達成できる」ということまで明確に説明出来ることが望まれます。機関投資家に出している情報を、個人投資家に分かりやすいよう、工夫をして情報発信していくかが重要です。
>>続いて、(2)IR担当者の抱える課題についてをお伺いしました。
日本IR協議会
https://www.jira.or.jp/
日本IR協議会に関するお問い合わせはこちら
mailto:kanri@jira.or.jp
取材・文/萩原恵子
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