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オンライン・アニュアルレポートの現状について

Posted by admin on 2010/11/22

 

 AR2011に向け、オンライン・アニュアルレポートに関する相談が増えてきている。その多くは、紙冊子版からオンライン版への移行を前提としているケース(紙冊子版は廃止)である。これに対して当社は、「使い分けは有効だが、Webは万能ではない」と考えている。紙冊子版からオンライン版への移行ではなく、より訴求力を高めるためのプラスオンツールとして有用と捉えている。
オンライン・アニュアルレポートのメリットは、

(1)動画によるエモーショナルな訴求が可能
(2)レポート内リンクによるアクセシビリティの向上
(3)タブレットやスマートフォンでの閲覧を前提としたポータビリティの向上(まだ発展途上だが)
などが挙げられる。

 しかしながら、Webは万能ではない。一覧した時の情報インプット量は、圧倒的に紙の方が高い。筆者は日経新聞を電子版に切り替えたが、時間がない時の流し読みに適さず不便を感じている。アニュアルレポートでも、まずは短時間でザックリ目を通す投資家が多いことを考えると、オンライン・アニュアルレポートには弱点があることを認識する必要がある。

 ここで海外のオンライン・アニュアルレポート事情を確認してみよう。各種アワードのオンライン・アニュアルレポート部門で高評価を得ている事例をチェックすると、Webならではの機能を駆使したものが高評価になっているわけではない。結局、掲載内容のクオリティでジャッジされているように思われる。グローバルで見ても、オンライン・アニュアルレポートは、まだ発展途上と考えて間違いなさそうだ。また、多くの企業は、オンライン・アニュアルレポートとともに、紙冊子版も制作している。すなわち、オンライン版が紙冊子版の代替になるとは考えていないことの表れである。

 以上のように、まだ発展途上のオンライン・アニュアルレポートではあるが、発展途上だからこそ、Webならではの利点を有効に使い、高い利便性と訴求力を実現した企業にとっては、コーポレート・コミュニケーションの大きな武器になると思われる。
大切なことは、オンライン・アニュアルレポートを作ることありきで考えるのではなく、目的立脚で考えること。自社のIRをはじめとするコーポレート・コミュニケーションの課題を明確化するとともに、自社のリソースや優位性を冷静に認識した上で、最適な手法をとることが効果を最大化するための第一歩となる。

 オンライン・アニュアルレポートは、動画によるより分かり易く訴求力のあるメッセージ伝達が可能になるとともに、Webならではの情報へのアクセシビリティを実現できるなど、有用性は高い。目的にマッチした高質なオンライン・アニュアルレポートが増え、よりギャップの少ないコーポレート・コミュニケーションが実現することを期待する。


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