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インベスター・ネットワークス株式会社

Posted by admin on 2008/05/01

 

(お話を伺った方) 
インベスター・ネットワークス株式会社 代表取締役社長 杉本光生様  

外国人投資家対応策って?

Q1.日本企業に影響を与える外国人投資家について教えてください。

 2000年以降、日本の株式市場は外国人投資家が牽引してきたと言っても過言ではありません。1990年代前半、10%に満たなかった外国人持ち株比率が2008年に28%を超え、東証の売買代金シェアの半分以上を占めるまでになりました。

Q2.ここへきて、外国人投資家離れが進んでいると言われています。

 スティール・パートナーズによるブルドックソース事件やサッポロHDの買収提案等の結果から、外国人投資家の日本市場に対する評価は下がっています。最近ですと、Jパワー株の買い増し問題がありました。これは、今後、日本企業がどのように外国人投資家と良好な関係を築いていくかという点で重要な課題であると思います。本来であれば、上場している以上、自由競争の原則に基づき、企業への投資が制限されるべきではないと思います。ただ、電力・ガス等の公共インフラを提供している企業の場合は、株主と同等に地域住民も重要なステークホルダーですから、株主価値の向上と同時に、企業市民としての役割を議論していく必要があると思います。

Q3.外国人投資家を味方につけるには?

 スティール・パートナーズやTCIといった戦略投資ファンドが注目される一方、企業の株を中長期的に保有し、成長促進を目的とした純投資を行うミューチュアルファンドやペンションファンドは、企業価値を高めていく上で重要なパートナーと考えるべきです。
 一部に外国人投資家=敵対的ファンドと捕らえられている場合がありますが、企業価値の高い企業は、多くの場合、純投資の外国人株主の裾野が広く数百の海外機関投資家が株主に名を連ねています。冒頭にお話したように、東証の売買代金に占めるインパクトを考えると、多くの海外機関投資家に投資される企業が、結果的に企業価値を高めることになり、敵対的買収リスクを回避することにも繋がります。

Q4.日本企業が外国人投資家に評価されるためには?

 ①成長力を打ち出す

 中期経営計画のような将来のビジョンや経営目標達成プロセスを具体的に投資家に示し、成長力をしっかり打ち出すことが重要です。世界の資金の流れを見ると、BRICsに代表される新興の成長市場に投資資金がシフトする傾向にあります。一方で、国内企業のバリュエーションは、歴史的な割安水準にありますので、一部のバリュー系海外投資家が、ファンダメンタルズが良好であるにも関わらず株価が割安な銘柄に投資する状況にあります。本来であれば、企業の成長性に期待するグロース系の機関投資家に対して、中長期的な成長シナリオを論理的に示して、投資を促す戦略的なIR活動が求められます。
 DCF法を使って投資判断をする機関投資家が多いことからも、中期経営計画の目標達成プロセスをより具体的に解説することが有効だと考えます。
*DCF法・・・収益資産の価値を評価する方法の一つ。投資プロジェクトの価値を算出する場合に用いられる。

 ②投資家のマーケティングをする
 
 ある企業のIR担当部長は、「機関投資家は、自社の株を買ってもらう“お客さん”だと思ってIR活動をしている」と話していました。一部には、既存株主と対話することだけがIR活動であると思われている企業があるようですが、潜在投資家を開拓し、株主の裾野を広げていく上で、今後はますます“投資家マーティング”が重要になってくると思います。

Q5.企業IRに求められているものは?

 私が考えるIR優良企業は、経営者が「IRとは何か」を理解し、IR担当セクションと明確な目標を共有しながらアクションをおこせる企業だと思います。逆に、評価できないのは、IR活動はIR部署の仕事で、市場の評価が低いのはIR担当者に責任があると思われている場合です。これは、IR部署にも問題があって、経営トップへの理解促進が足りないとも言えます。また、企業価値を高めることがIR活動の大命題であると仮定すると、株主構成のバランスも重要だと思います。国内機関投資家、外国人投資家、個人投資家がバランス良く株主になっていると、例えばネガティブなニュースが流れた時、個人投資家が狼狽売りしても、機関投資家が慎重な投資判断をすることで、株価の乱高下リスクを回避することができます。

IRナビと株なびを連動させ、効率的なIR活動をサポート

Q6.「IRナビ」について教えてください。

【IRナビ(法人向け)】 予算をかけずに潜在投資家を開拓するツール
 IRナビは、上場企業の株式保有状況の閲覧機能や国内機関投資家約4000名、海外機関投資家約30,000名の投資家データベース(Eメールアドレス含む)を搭載したASPシステムです。導入企業は、ターゲットに対し、「決算説明会の案内」や「新製品のリリース」、「アニュアルレポートの送付」が可能で、予算をかけずに潜在投資家を開拓することができます。株主保有状況を把握、国内外の機関投資家にIRニュースを配信、更にはIRイベントをカレンダー上で運営・管理が可能で、日常的なIR活動全般をサポートできるシステムになっており、現在、200社を超える上場企業が導入しています。

Q7.「株なび」について教えてください。

月間PV:150,000 
会員数:600人 (2007/4/21現在)

 「株なび」は個人投資家向けの投資情報サイトです。特徴としては、各種の銘柄スクリーニング機能や株主優待情報などが閲覧できます。例えば、外人投資家の売買状況や、PERのセクター平均との乖離率などから割安銘柄をスクリーニングし、その中で株主優待が充実している銘柄だけを選別することができます。また、SNS機能を搭載しているので銘柄選びに関する会員同士の情報交換や、日々の株価との連動による運用パフォーマンスを検証できるマイポートフォリオ機能などがあります。将来的には、企業と個人投資家が「IRナビ」と「株なび」を通して相互に情報交換ができるコミュニティサイトを目指しています。

IRナビ、株なびに関するお問い合わせはこちら
support@kabu-navi.jp


取材・文/萩原恵子

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