取締役執行役社長 大久保 哲夫

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2018年度中間決算説明会
2018年度上期業績・通期業績見通し
2018年度下期 取組方針
財務・資本政策
2018年度上期決算【以下スライドのみ】
2018年度業績予想
経営基盤

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大久保
改めまして、私どもの中間決算の説明会に多数ご出席を頂きまして誠に有難うございます。
本日はまず、上期の業績を総括した上で、下期の取り組み方針につきまして皆さんにお話をさせて頂きたいと思います。2ページをご覧頂けますでしょうか。
一言で総括をいたしますと、中期経営計画に沿った、安定的な利益成長が着実に進んでいると私は考えております。
中期経営計画の軸として、資金ビジネスの収益性向上、それと手数料ビジネスの拡大、この2つを掲げておりますが、資金ビジネスにつきましては調達コストの抑制と与信ポートの入れ替え、この2つによって、国内、国際、その両方とも実質的な増益ができております。
また、手数料ビジネスにつきましても、投信販売は、これは正直もう伸び悩んでおりますが、資産運用ビジネスの成長、これを主たる要因といたしまして増益を達成しております。これらを合わせてROEも改善をしております。
後ほど詳しくご説明いたしますが、足元の不透明な経済環境に対しては、ダウンサイドへの構えというものも金利、信用、株価、それぞれに強化をしております。
また上期の業績の進捗を踏まえまして、通期業績予想の修正を行うとともに、期末配当を10円増配とさせて頂くことにしております。
それでは3ページにお進み頂きたいと思います。
こちらが上期の財務計数のサマリーであります。ポイントを申し上げますと、実質業務純益は1,469億円。
親会社株主純利益は915億円と、修正前の通期計画に対しまして各々52%、そして55%という順調な進捗となっております。
今年度の通期につきましては、実質業務純益は足元の経営環境も踏まえまして据え置きとしておりますが、純利益につきましては100億円増の1,750億円の予想としました。
株主資本ROEについては、中間期は8.46%。
通期の見通しはだいたい8%程度ぐらいになるかと思っております。
5ページに進んで頂きたいと思いますが、ここではROEの向上に向けた上期の取り組みをまとめております。
効率的な利益の獲得、効率的な資本の活用の両方において着実に歩みを進めているということがご覧頂けるのではないかと思っております。
それでは7ページにお進み頂きたいと思います。
これが今年度下期、当期の取り組み方針ということでありますが、項目といたしましては、5月に皆さんにお話ししたものとほぼ同じということであります。
各施策の進捗やポイントにつきまして、かいつまんでお話をしたいと思います。
それでは8ページにお進み頂きたいのですが、こちらはまず手数料ビジネス全体の状況であります。左のグラフをご覧頂きたいと思いますが、ビジネスによってどうしてもこの上下差、上期と下期の差分というのはあるものの、オレンジの資産運用や資産管理、濃い青の証券代行など、ある意味信託銀行らしい手数料ビジネスは着実に伸びております。
また右側にあるとおり、投資運用コンサルティングの販社管理手数料、ストックの収益になりますが、販社管理手数料や不動産のリテール分野の仲介手数料など、ある意味安定的な手数料と私どもは定義をしておりますが、これについても緩やかながら着実に伸びているという状況であります。
今後は収益の安定性を更に高めつつ、手数料総額の拡大に向けてもスピードアップをはかっていきたいと思っております。
9ページにお進み頂きたいと思います。
こちらは企業年金であります。企業年金市場においては、ご承知のとおり高齢化の更なる進展に伴って、給付超、掛け金よりも給付のほうが多くなっているDBに対しまして、持続的に拡大が今後とも期待できるDCビジネスへの取り組みというものが引き続き鍵であると思っております。
右上のグラフにあるとおり、当社が運営管理機関であるDCの加入者は141万人。
過去6年間で約2倍となっております。シェアも18%から21%に拡大し、業界トップとなっています。
このDCビジネスの成否は取引先企業と一緒になって福利厚生の在り方を考え、各企業の従業員の役に立つ投資教育や、使いやすいインターフェースなどのサービスを総合的に提供できるかどうか、これに懸かっていると私は思っております。
それが結果的に競争力の面でも、また実際に従業員、個人の方々が投資というものに対してどれだけ資金を振り向けるか、そのようなところで違いになって表れてきます。
右下にありますとおり、当社の場合、加入者の投信の選択比率はだいたい69%。マッチング拠出の選択比率は73%というように、共に業界の平均を大きく上回っております。
10ページにお進み頂きたいと思います。
こちら、個人に対する投資運用コンサルティングですが、これに関しましては株式を中心とする市場の先行きに不透明感が強かったことから、この上期は投信の販売が伸びませんでした。
収益的には保険、そしてストック収益での貢献で前年同期比、同水準を確保しております。
これからも残高に拘り、ストック収益を積み上げて市場環境の影響を受けにくい、安定収益を高めることが改めて重要であると認識をしております。
ここでもDCは毎月約200億円の安定的な投信の残高積み上げに貢献しておりますが、これに加えまして足元では積立投資、そして保険については平準払保険の販売が拡大をしています。
右端の2つのグラフのとおり、これらの商品には資産形成層を含む幅広い世代の顧客層で伸びが見られています。
絶対額として大きくなるには、まだまだ多少時間が掛かりますが、着実に顧客基盤を拡大し、新規の資金流入のドライバーに育てていきたいと考えております。
それでは11ページにお進み頂きたいと思います。
こちらは金融法人への資産運用サービスですが、これにつきましては低金利の環境が続く中で引き続き順調に拡大をしています。
特に右上グラフのオルタナティブ資産については、大手の機関投資家を中心に、PE、貸出資産、再生エネルギー関連など、実際に提供をする商品、それから運用対象と、そのような幅も広がりつつあります。
それでは12ページにお進み頂きたいと思います。
資産運用ビジネスについては、着実な資産の拡大により、グループ全体の運用資産残高は約93兆円となりました。
上期も収益増に大きく貢献したということであります。
皆さんご案内のとおり、この10月に三井住友信託銀行の運用機能を統合し、新たな三井住友トラスト・アセットマネジメントがスタートを切っております。
新たな運用会社は特にリテール市場における成長を企図しておりまして、これにつきましては統合以前から販売機能の強化を前倒しではかってきました。
この上期には次世代通信関連をテーマといたしました5Gというファンドがありますが、この運用残高が2,200億円まで拡大しました。このファンドは当社のグループ外での販売比率が76%と、従来だいたい20%から30%という公募投信の外販比率と比べて大幅に高くなったということで、私も手応えを感じているところであります。
それでは14ページにお進み頂きたいと思います。
これは不動産の仲介ビジネスであります。
信託銀行の商業用不動産の仲介手数料は、これは昨年度上期に大型案件がありまして、その効果が剥落したということもあって、20億円のマイナスとなりました。一方で、先ほどもちょっと触れましたが、居住用不動産を取り扱います三井住友トラスト不動産は前年同期比で5億円増と、過去最高の業績となっております。
足元、不動産市況には多少物件によってでこぼこはあるのですが、そうした天井感があるということで、大型物件の供給というものは依然限られております。
仲介ビジネスにおいても、より安定的な収益が期待できるように今後も十分に開拓余地のある中規模不動産の取り扱いを強化をさせています。
具体的には経済の不透明感から中規模不動産会社の在庫の入れ替えが活発になっておりまして、それをしっかりと捕捉していくなどの活動に注力をしております。
また市況に関係なく、相続対策を含む富裕層のお客さまのニーズというものは底堅いものがありまして、この分野も今後さらに収益拡大というものが期待できると思っております。
更に不動産というのは、ある意味情報産業ですので、情報ネットワークという観点から提携金融機関を拡大したり、連携を強化させたいと私は考えており、当社以外のリソースも効率的に活用して幅広いニーズ、幅広い情報を獲得していくということに努めております。
これは当然掛け声だけではなくて、体制面でも戦力の補強も行っております。単なる人員増だけではなくて、当社の中でも不動産の経験、業務経験があって案件をまとめる力のある即戦力、だいたい20名ぐらいを取り敢えずこの下期に他の事業から不動産事業に投入をしております。
次に18ページにお進み頂きたいと思いますが、こちらは資金ビジネスの総括であります。真ん中のグラフをご覧頂きたいと思いますが、冒頭のところで皆様にお伝えしたとおり、国内の資金調達コストというものは着実に削減がはかれています。
また、右側のグラフのとおり、外貨調達につきましても長期の調達を、CCSからカストディ資産を使った調達等に分散しつつ、全体のコストの削減を進めています。
それでは19ページをご覧頂きたいと思います。
こちらは収益性改善を目的とした法人与信ポートでありますが、この法人与信ポートの入れ替えも進展をさせています。外貨ポートフォリオにつきましては、16年度、17年度の2年間で14ベーシスのスプレッド改善を行いましたが、この上期にも更に3ベーシスの改善を実現しています。
なお、プロダクト関連与信については、ボリュームの積み上げは計画に比べて若干スローではありますが、世界経済の不透明感を鑑みて、無理な拡大はせず、高い信用、高い流動性、あるいは有担保の案件などを引き続き慎重に選別していきたいと考えております。
21ページをご覧頂きたいと思います。
個人ローンであります。
個人ローンについては残高を引き続きしっかりと確保しております。左下の円グラフのとおり、現在当社と取引を頂いているお客さまのうち、住宅ローンを入り口にしたお客さまは、資産形成層のお客さま全体の4分の1を占めております。重要な、新規のお客さま獲得の手段にもなっていることがお分かり頂けると思います。
また、右上のグラフのとおり、住宅ローンをきっかけにしたほかのサービス提供も進んでおりまして、足元では約半数の住宅ローンのお客さまと疾病保険などのお取引ができております。
それでは22ページにお進み頂きたいと思います。
ここではバーゼルIIIの最終化を見据えた与信ポートの方向性についてご説明をしたいと思います。
資産種別ごとの資本規制強化の影響では、右のほうに示しておりますとおり、コーポレートローンや住宅ローンにおいてはリスクウェイトが上昇いたします。
法人向け貸し出しについてはローンを起点にお客さまの幅広いニーズを発掘し、トータル・ソリューション・サービスへの展開を強化するものや、プロダクト関連与信など、その収益性の高さを目的とするものなど、ローンのプロファイルと意義を考えつつ、見極めつつ、これからも取り組みのボリュームを最適化していきたいと思っております。
それでは23ページをご覧頂きたいと思います。
これはデジタル戦略でありますが、デジタル戦略については左側の2つの箱、こちらが短期的な成果を狙う領域と、右側の2つの箱、信託らしさを追求して、ある意味中長期で付加価値の創出を狙う領域に分けて私は整理をしております。
この上期中にはRPAだけで約4万時間の業務削減効果が出ております。ただ、これはまだまだ緒に就いたばかりであります。
導入に伴う周辺事務の見直しなども含めると効果はさらに大きいと思いますが、更にこれはしっかりと進めていきたいと考えております。
なお当社のRPAの取り組みについては少し特徴がございます。
これは信託銀行の持つ多品種な事務という特性に関係するものでありますが、まず従来は高額なコストが掛かるため導入を諦めかけていました事務のシステム化というものが、低コストのRPAにより導入ができるようになった例が三井住友信託銀行、そしてグループも含めて幾つもございまして、合理化がはかれております。
もう1つの特徴はアプローチの違いといいますか、その点であります。
当社はRPAの開発を完全にユーザーである各事業に任せてしまわずに、本部が関与し取りまとめるというアプローチを採っています。
本部が関与することによって、エラー対応のノウハウも集積をし、また改良されたパーツを他の分野も含めて広く使う、横展開することで高い業務品質のRPAを生み出して、中期的な生産性を上げることができると考えています。
これはある意味、事務を専門とする信託銀行ならではの発想ではないかと思っております。
25ページをご覧頂きたいと思います。こちらでは足元で進めております店舗戦略について、皆さんにご説明をさせて頂きたいと思います。
当社の店舗戦略は一言で言いますと、機動性を重視した店舗戦略と。
最近の言葉で言いますとアジャイルという言葉がありますが、このアジャイルと言ってもよいかもしれません。
ポイントは3つありまして、まず1つ目は店舗の機能、店舗機能であります。デジタル化の推進により、お客さまのニーズの違いや店舗の立地に合わせた機能を自由に組み合わせて提供することが出来るということであります。
その結果として、事務スペースを中心にスペースの大幅な削減が可能となり、空いたスペースは返却ができます。また、オーナーとの関係で返却が難しい場合は、例えば小規模の事務を取りまとめる事務センターとして使ったり、セミナーにも活用できる営業スペースの拡充というようなことで、生産性の向上に活用していきます。
2つ目は戦力の効率的な運営といいますか、弾力的な運営ともいえます。
例えば店頭で受け付けをした担当者が、そのお客さまの自宅を往訪することでお客さまとのリレーション、そしてコンサルティングの深さ、レベルを更に高めることが出来るということであります。また、休日や時間外の営業体制、これも強化をしておりまして、足元では来店されるお客さまの全体のだいたい10%弱ぐらいが休日や時間外にご来店をされています。
3つ目、こちらが最後ですが、これが店舗形態ということであります。この9月に調布にコンサルプラザという小型の店舗をオープンいたしました。
ATMをなくしております。
それから来店されるお客さまは完全予約制として、店舗面積も従来の5分の1とするなど、ある意味、信託型次世代店舗の先駆けと位置付けております。
ただ、店舗形態については、これが固定的なモデルということではないと私は考えています。
店舗機能を柔軟に選択できますので、この調布での経験、ちょっと実験というとお客さまに失礼に当たるのですが、このようなものを踏まえまして次の店舗開発に機動的に生かしていくことが出来ると思っております。
当社の場合、このリテール領域において、コンサルティングへのお客さまのニーズは引き続き高いものがありまして、拠点数の単純な縮小は考えておりません。
むしろ軽量、フレキシブルな店舗戦略によって経費の削減は一方で追求しつつ、お客さまとの接点を増やし、トップラインの成長に繋げていくことが出来ると私は考えております。
それでは26ページにお進み頂きたいと思います。ここからは皆さんにリスクへの備えについて少し詳しくご説明をいたします。
まず左のグラフの青い線のとおり、米国金利に対するネットのリスク量は極めて限定的であります。
なお債券現物とそのヘッジ取引の両建てについては、基本的には今後削減の方向で想定をしております。
27ページでございますが、こちらは信用リスクの状況であります。
まず事業性ローンにつきましては、当社の場合、大きな懸念はございません。残高は約5,000億円と、三井住友信託銀行の個人向けのローン全体のだいたい5%ということで限定的であります。
また、対象物件についても、三大都市圏の優良案件を中心に絞った取り組みとしておりまして、個別に取り組み時のキャッシュフロー見通しを保守的に評価するだけではなくて、取り組み後も稼働状況を定期的に確認する運営というものを以前から徹底しております。
対象となるお客さまも負債を差し引いたネット資産がだいたい1億円以上のお客さまが中心になっております。
また、もう1つ非日系与信についても右下のグラフのとおり分散を利かせているほか、新興国など懸念のある国のエクスポージャーというものも大変限定的であります。
28ページをご覧いただきたいと思いますが、こちらは株式相場の変調に対しての備えであります。こちらについても強化をしております。
政策保有株に対するヘッジは、ベース部分のヘッジ比率を50%から65%に変更しております。これによって、それ以外のところで機動的に運営している追加部分を含めますと、政策保有株の時価全体に対するヘッジ比率は現在、だいたい85%になっております。
なお昨年度、株価が急上昇したときに、ベア投信の評価損拡大をロックするため、ブル投信による両建てポジションというものも一時的に構築いたしましたが、これについては上期中に解消し、評価損を実現しております。
このヘッジ投信の評価損については、あくまで現物と合わせた全体の評価損益のマネージと捉えておりまして、今後も既存ポジションの調整は一定程度行って参りますが、全体的な株式関係損益への影響は限定的なものに留まる見込みと考えています。
次に30ページをご覧頂きたいと思います。
資本政策と還元方針についてご説明いたします。
9月末のCET1比率は11.78%、最終化ベースでだいたい9%台前半の水準にございます。
31ページをご覧頂きたいと思いますが、今回の増配によりまして、今年度の予想総還元性向はだいたい35.4%になります。
株主還元につきましては、引き続き強化をしていきたいと私は考えておりまして、従来、中期目標にしておりました総還元40%のターゲットについては来年度に達成したいと考えております。
最後に当社グループの企業価値向上に向けた取り組みについて、2ページに渡って記載をしております。まず32ページでございますが、左側は各事業のROE向上に向けた取り組みの全体像をお示ししております。
また右側には16年度、17年度、そして18年度上期における個人、法人、市場、この3つのセグメント別の規制資本ベースのROEの推移を初めてお示しをしております。
分子は事業別の業務純益をベースに、信用コストのみ補正を加えたものでございまして、政策保有株式の関係損益は考慮していないなど、分析評価上の限界があることはご理解を賜りたいと思います。
次に33ページであります。もう1つ、皆さんに新しい取り組みについてご紹介をさせて頂きたいと思います。当社では中計の3年間という軸を超えまして、新たなビジネスを生み出し、さらに進取の精神に富む企業風土を更に強めていくために、これは社内用語なのですが、未来フェスという、グループ全体の新規事業のコンテストを現在進めております。
私自身も審査に加わっておりまして、選ばれたものについては実際に資源配分を行って、これはグループもありますが、応募者本人に事業を立ち上げてもらう。
すでにグループの関係会社を含めて、もう200件を超える応募がございます。現在その案件について、選定作業を進めているところであります。新しい取り組みということで、この場をお借りいたしましてご紹介させて頂きます。
以上、簡単ではございますが、私のプレゼンテーションを終了させて頂きます。ご清聴、誠に有難うございました。