質疑・応答

Q1. 決算短信の「継続企業の前提に関する重要事象等の概要」の説明書きに、「経済産業省、日本政策投資銀行、銀行団と今後の支援策につき、基本的な条件を確認している。」とあるが、その『基本的な条件』とは何か?
A1. 今後事業を安定させ、業績を改善することが基本条件となっており、それについて、関係者と協議をしている。これにより(借入金の)借り換えが行われるものと考えている。

Q2. 銀行等の交渉に時間がかかっているようだが。
A2. 円高が続く中、どう将来に渡って安定的に収益を出していくかというスキーム作りに時間がかかっている。

Q3. 借入金の借り換えの条件がマイクロンとの提携が条件になっているように報道されているが。
A3. 大きな赤字を出している状態で他社と提携しても成功はしない。まずは赤字を減らして、単独でも生き残っていけるようにすることが先決。その上で、提携を考えるべきだと考えている。

Q4. 前回の決算説明会では顧客からの出資や前受金の受領を検討しているとコメントしていたが、進捗は?
A4. 約500億円が集まりつつある。借り換えが行われれば、社債発行や顧客からのサポートが得られやすくなるので、できるだけ早いうちに借り換えを進めたいと考えている。

Q5. 広島工場の売却等を検討している?
A5. 広島工場は当社の開発拠点であり、モバイルDRAMの生産拠点でもある。それを売却することは現時点では考えていない。

Q6. 減産はいつまで継続するのか?PC向けDRAMの在庫水準は9月末と比較してどうか?
A6. 今は損益以上にキャッシュが重要なので、市場価格が改善するまで減産は継続する。在庫水準は9月末から比較して下げてきてはいるが、まだ適正水準よりは多い。

Q7. コスト削減余地が残っているところは?
A7. モバイル機器向けのPoP製品の後工程コストが下がりきれていない。全製造コストに占める後工程コストの割合は約35%。

Q8. ReRAMでターゲットとしている市場は?
A8. SLC型NANDよりスピードが速く、書き換え回数が多いものが欲しいという顧客要求が高いため、まずはSLC NANDの置き換えが進むと考えている。DRAMとNANDのパフォーマンス差を埋めるSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)向け分野に入っていくと思われる。また、当社はフラッシュメモリがないために、モバイル機器向けのMCP(マルチチップパッケージ)ビジネスがあまりできていなかったが、MCPに使われるNANDやNORフラッシュの置き換えとしてReRAMを使いたい。ReRAMの量産は2013年からの予定。

Q9. 旧正月明けの引き合い状況やウルトラブック向けの需要について教えて。
A9. サーバ向けの需要は非常に強い。それ以外の需要はそれほど強くない。モバイル機器分野では顧客によって濃淡があるが、勢いのある顧客のビジネスは獲得しており、その需要は強い。しかし、まだ手放しでは喜べない状況下と認識している。PC分野では、HDDの供給不足によりHDDの価格が3-4割高くなっている。そのため、SSDを使ったウルトラブックが今後伸びてくると考えている。ウルトラブックの販売が伸びれば、(ウルトラブック向けに高いシェアを獲得している)当社にとってはプラスである。

Q10. 第3四半期売上高の内訳は?
A10. プレミアDRAMとコンピューティングDRAMはほぼ半々。

Q11. 第4四半期の売上高が第3四半期と同等と仮定すると、営業損益はどのくらい改善する?
A11. 価格が上昇しない前提では、赤字額は半減とまではいかないが、30nm(ナノメートル)の出荷が増加するため、改善すると考えている。